いつもお世話になっております。日本エレクトロセンサリデバイス株式会社 営業企画室 竹迫です。今回のお題は・・・ ラインレート」と「フレームレート」について 猛暑というより酷暑って感じの暑さですが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。梅雨終盤は各地で豪雨被害もあり、ただでさえ大変である被災地の方の体調が心配になりますが、一日も早い復興をお祈り申し上げます。さて今回は新入社員応援!基本の内容解説シリーズ3回目です。ラインレートとフレームレート、いわゆる撮像の速さについて、考えていきます。今回も新人さんがベースを作ってくれましたが、改めてこのあたり振り返ると本当に勉強になりますね。ここ、自分わかってなかったなぁ!とか、新たな発見がありますので、以前から撮像や画像処理されている方もぜひ振り返りとしてご一読いただければ幸いです。 「ラインレート」とは 露光時間ーラインスキャンカメラの場合ー 「エリアスキャンカメラ」とは 露光時間ーエリアスキャンカメラの場合ー ラインスキャンカメラの選定において検討の必要がある項目の1つとして「ラインレート」があります。エリアスキャンカメラの場合は「フレームレート」にあたります。 ラインレート(kHz)ーラインスキャンカメラー 1秒間に何ライン分の1次元画像を取得するかの単位で、どれだけ速く画像を取得できるかを表します。例)60kHzの場合➡1秒間に60,000ラインの画像を取得する 【搬送速度>ラインレート】 ラインレートが遅い=撮像のスピードより搬送速度が速いため、撮像できない部分が生まれ、縦方向につぶれた画像になります 【搬送速度<ラインレート】 ラインレートが速い=搬送速度より撮像のスピードが速いため、重複して撮像してしまい、縦方向にまのびした画像になります 検査に必要なラインレートの計算式 必要なラインレート数=搬送速度(mm/sec) ÷(視野幅(mm)÷カメラの画素数) 【補足】スキャンレート(μs)1ライン分のスキャンに必要な時間を示す単位で、ラインレートの逆数になりますが、同じくどれだけ速く画像を取得できるかを表します。 露光時間 ラインスキャンカメラの場合 露光時間とは、カメラのセンサーが受光する時間を指します。露光時間には最低限必要な時間が設定されていて、それより短くすることはできません。ラインレートのMaxの値は一般的には1ラインのデータを読み出す時間で決まります。また、ラインスキャンカメラは、1ラインずつ撮像するため、露光時間がとても短いです(マイクロ秒単位)。しかし、受光できる時間を可能な限り長くしなければ、明るさを確保できず、うまく撮影ができません。★ラインレートを設定すると、その中で最長の露光時間になるように 自動的に露光時間が設定されます。 露光時間とラインレート ラインレートが10kHzの場合、1枚の画像を取得するのに0.1秒(100ms)使用します。➡仮に露光時間を100msに設定してしまうと、スキャン周期には データ転送準備時間も含まれるため、ラインレートは10kHzにはできません。 10kHzで動作させたい場合は100ms未満にする必要があります。➡つまり、露光時間を長く設定するとラインレートは遅くなります。 フレームレート(fps)ーエリアスキャンカメラー 1秒間に何枚の2次元画像を取得するかの単位です。画素数が小さいほど、転送するデータ量が小さくなるため、フレームレートは速くなります。(画素数が大きいとフレームレートは遅くなります)例)30fpsの場合➡1秒間に30枚の画像を取得する 60fpsの場合➡1秒間に60枚の画像を取得する データレート(MHz) カメラからPCやボードへ出力されるビデオ周波数を表す単位です。値が大きいほど、より高速に画像の読み出しができるカメラと言えます。 露光時間 エリアスキャンカメラの場合 【エリアカメラの場合】 データレート(Max)=道路の最高速度 画像=トラックくらい 【ラインカメラの場合】 データレート(Max)=道路の最高速度 画像=バイクくらい エリアカメラは、基本的に止まっているものの撮像に適しています。また、フレームレートはデータレートによってMax値が決まるため、露光時間とはバラバラで設定する事ができます。フレームレートと露光時間の設定は、目的によって様々です。 例1)ワークが間欠送りで速く流れてくる 1秒に10個(撮像+処理で100msecしか猶予が無い) ※フレームレートがMax22fpsの場合 1)画像データは速く送りたいので、フレームレートは22fps(Max)に設定する (22fpsで厳しい場合は、画素数の少ないカメラを選定し、フレームレートを速くする)2)22fpsと設定したとき、フレーム周期はMax45msとなる。3)1フレーム45msで撮像したときに搬送速度の影響でブレる場合は露光時間を短くしていく 例2)ワークがカメラの下で1分ほど停止する 1)画像を速く送る必要がないので、フレームレートは1fpsに設定する。2)1フレームの時間は1000msになる ➡メリット①露光時間が長いため、照明は安価でそれほど明るくないものが選べる メリット②カメラ単体でも明るく撮像できるため、レンズの絞りを絞って、 被写界深度も確保できる。 例3)例2のようにワークが止まっているが、 振動していて、露光時間が長いとブレた画像になる 露光時間を短くし、一瞬で撮影する ➡フレームレートは1fpsのままで、露光時間を100msにする (露光時間を100msに設定したので、フレームレートは1fpsでも10fpsでも良い) NED 営業小ネタ 皆様年に一回の健康診断の結果、返ってきましたでしょうか?まだこれから、というかたもいらっしゃいますかね。NEDは春受けることになっているので、順次結果が返ってきているのですが、なんと竹迫、今年から始まった検査(年齢的に今年が最初の検査でした)で引っかかってしまい要精密検査となってしまったので、この間ひとまず病院を受診してきました。なんとなくこれじゃない?という心当たりがあったので、「前から○○なんでそのせいかなって思うんですけど再検査しなくてもいいですか?」と言ってみたところ、優しそうなお医者さんの顔が一変!「この検査を三十代からに拡大したことで有意に死亡率が下がったんですよ、絶対やらなきゃダメ。」と、いかに必要な検査かを訥々と説明され、久々に本気モードで怒られてしまいました。本当に再検査いやだとかいってすいませんでした。皆様も健康診断の結果に若干でも不安があったら、病院受診必要に応じて検査をお受けください。ぜひ素直にお医者様の言うことを聞いて、竹迫のように怒られないようにしてください。笑